パロチンという若返りのホルモン

パロチンという若返りのホルモン

はちょっとした工夫でおいしく炊くことができます。しかし、玄米をおいしく食べるために何よりも大切なのは「よくかむ」ことです。現代人は「やわらかいもの=おいしいもの」という勘違いをしているように思います。グルメ番組などで、レポーターの人がひとくち食べて、「わぁ―おいしい、日の中で溶けちゃいました」などといつているのをよく耳にしますが、必ずしもやわらかいものがおいしいものではないはずです。かむ習慣がなくなってきているので、最初は意識してかむことが必要ですが、 一度じっくりかんで玄米を味わつてみてください。かめばかむほどおいしさを感じられるはずです。それに、よくかんで食べることで唾液の分泌がよくなり、パロチンという若返りのホルモンも出ます。消化吸収を助けるので、ボディ。エンザイムの浪費防止にも役立ちます。それでも「どうも玄米は……」という人は、玄米をほんの少しだけ発芽させた「発芽玄米」を試してみてはいかがでしょうか。

 

 

発芽玄米は玄米よりちょっとだけ準備に時間がかかりますが、食感が自米に近いうえ、玄米炊き機能のない炊飯器でも炊くことができるので、白米に慣れた人には、普通の玄米よりおいしく感じられるでしょう。また発芽玄米は、「ギャバ」という健康効果の高いアミノ酸を多く含むことで注目されている健康食品でもあります。ギャバは、正式名称を「νlアミノ酪酸」といい、人間や哺乳動物の脳や脊髄に含まれるアミノ酸の一種です。ギャバというのは神経伝達物質の一つで、カツオ節などに多く含まれるうまみ成分でもある「グルタミン酸」が神経を興奮させる働きがあるのに対し、ギャバは神経の興奮を抑え、安定させる働きをもちます。この「興奮性のグルタミン酸」と「抑制性のギャバ」のバランスがうまくとれている状態が理想なのですが、現代人の多くはストレスなどでどうしてもバランスが興奮に傾きがちなのです。こうしたバランスの乱れは、精神面では不安やイライラを、肉体面では高血圧や過度な物忘れやぼけといつた記憶障害を引き起こすことにつながります。

 

ギャバを含んだ食品は、そうした症状の予防と緩和に効果があるとして、最近とくに注目を集めているのです。発芽玄米に含まれるギャバの量は玄米の三?五倍、発芽玄米のほうがギャバの含有量が多いのは、発芽するときにグルタミン酸からギャバが生成されるからです。最近はすでに発芽させた玄米を、それ以上発芽しないように処理した、すぐに炊ける発芽玄米も市販されていますが、私はあまりお勧めしません。なぜなら、どのようなお米を、どのような水を吸わせて発芽させているかわからないからです。先にも述べましたが、現在市販されている食物は玉石混清です。本当に安全な食物を望むなら、きちんと生産方法を明記した信頼できるところで、できるだけナチュラルな素材を求め、自分で調理することが必要です。